学校法人同志社 総長
八田 英二
2025年に150周年を迎える同志社の基点である同志社英学校は、明治8年に校祖新島襄の自宅で、8名の生徒と2名の教師のみでスタートしました。新島のよき協力者であった宣教師ディヴィスは「あの朝開校に先立って新島が涙の中で捧げた、誠実にして懇篤なる祈りを私は終生忘れることはできない。すべての者が心から祈った」と記しています。幼稚園から大学に至るまで、すべての同志社諸学校の教育事業には新島が追求した良心教育が息づいています。同志社の掲げる教育理念である「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」をもとに、新島の夢みた初等教育を実現するために、2006年、同志社中学校・高等学校に隣接する岩倉の地にて同志社小学校は産声をあげました。
小学校教育の根幹には「良心を手腕に生かす人物の育成」という建学の精神があるのは勿論です。校歌にあるとおり、「偉い人になるよりも良い人間になりたいな」に込められた「人を思いやる心」を小学校は大切にしています。
「人ひとりは大切なり」と新島は常に語りかけました。他者への思いやりの心に充たされ、常に弱者に寄り添い、未来に向かい挑戦する心を備えた人物こそが同志社が育成を目指し、また新島がこよなく愛した同志社人です。
同志社大学 学長
小原 克博
小学校での学びや人間関係は、後の人生におけるさらなる成長の基盤となります。自分の頭で考え、判断し、行動することのできる「自治自立の精神」や、他者に対する関心や気遣いといった利他的精神は、自分自身の人生を切り拓き、これからの社会を担っていく上で欠くことができません。こうした心のあり方を日々の生活の中で育んでいくことのできる環境が同志社小学校にはあります。
同志社の設立者・新島襄は、自由を大切にし、自らも自由人として生きた人物です。しかし、その自由は、わがままな自己主張ではありません。自らを省みる視点(良心や真理)を内に秘め、他者へと手を差し伸べることのできる自由です。
同志社は、このように新島によって示された未完の課題とも言える壮大な人間教育に挑戦し続けてきました。同志社小学校はそのフロントランナーと言えるでしょう。同志社小学校に連なるお一人おひとりの成長を教職員一同、見守っています。