 
「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」。この 3つが、学校法人同志社の教育の根幹をなす一貫した基本理念であり、創立者新島襄の時代から脈々と受け継がれてきた同志社精神です。同志社小学校ではこれらの理念に基づいて「良心の涵養」「自治自立精神の形成」「国際人の育成」を教育理念とし、同志社精神を継承して良心を手腕に国際舞台で活躍できる、知育・徳育・体育のバランスのとれた人材の育成を目指します。


新島襄は、アメリカでの自らの経験に基づき、キリスト教を徳育の基本においたキリスト教主義教育の必要性を痛感し、同志社英学校を設立しました。その時新島が蒔いた小さな種は、 130年以上を経た今も同志社全体の中に受け継がれ、同志社小学校にも生き続けています。同志社はキリスト教主義に基づく学園であり、キリスト教徒を育成するいわゆるミッションスクールではありません。愛に包まれる場としての毎朝の礼拝、そして全学年で行う宗教の授業のみならず、他のあらゆる教育の場面を通じて、キリスト教主義精神を実践していくことが大切だと考えているのです。そこには、新島が掲げた「良心教育」、また「人ひとりを大切にすること」が具体的に表現されてます。この、人を大切にする「愛」に満ちたキリスト教主義教育を通して、「豊かな心・人間性」を育てていくことが私たちの願いです。

真に自由な人とは、他人から言われて行動するのではなく、時代の雰囲気に流されず、自らの責任と自らの良心にしたがって振る舞うことのできる、しなやかな心をもった人です。けっして自分勝手に振る舞う人のことではありません。これが同志社小学校の考える「自由主義」であり、キリスト教の考え方をもとに新島が大切にしていた「自治自立」の精神です。本校では同志社教育の根幹をなす良心教育を基盤に、友だちとのふれ合い、縦割り班での活動(ワイルド・ローバー活動)や係り活動など、さまざまな体験活動を通し、この自治自立の精神を涵養します。

国際人とは、単に英語が操れる人のことではありません。同志社小学校では、英語を学ぼうとする子どもたちの意欲を自然な形で育むことはもちろん、世界を学び、世界のさまざまな国の人々や文化と自然な形でふれ合うことにより、自国の暮らしや文化、あるいは自己をしっかりと見つめなおすことのできる幅広い視野を養います。そして「人ひとりの大切さ」を基盤として、自分とは異なる意見や、集団に属さない少数意見に耳を傾け、互いに違うことを認め合える、真の国際人の育成を目指します。


学力が培われていく様子は、樹木の生長に似ています。土中から栄養分を吸収して丈夫な根っこが育ち、その上に太い幹がすくすくと伸び、よく繁った葉が太陽の恵みを受けて光合成を起こし、さらに木の生長を促します。同志社小学校では、この「根っこ」の教育に力を注ぐと同時に、子どもたちが多様な体験を通して、チャレンジする心や問題解決能力を養えるよう「道草」教育を重視しています。「道草」は楽しいものです。そのなかから「学ぶことは楽しい」という意欲を子どもたちが抱いてくれることを願っています。

昨今、さまざまな形で、日本の子どもたちの学力問題についての議論がなされています。しかしそれは、“危機的な学力の低下”などのセンセーショナルな表現のみが先行し、今どのような「学力」を身に付けさせることが必要なのかといった内実ある議論を踏まえることのないものであり、思考を伴わないドリル学習や結果だけを求める偏差値教育など、結果主義教育への回帰現象ばかりがめだちます。
しかし問題なのは学習意欲の低下であり、学習に向かう姿や構えを育てることこそが大きな課題であると考えています。同志社小学校では、子どもたちの知的好奇心を育み、思考するプロセスを大切にする教育のなかで、豊かで確かな学力を育てます。
小学生に必要な学力とは、単に詰め込まれた知識量を競う学力ではなく、学習に対する興味や意欲といった「根っこの学力」ではないでしょうか。「根っこの学力」を鍛えるため、同志社小学校では「道草」教育に取り組んでいます。

「根っこの学力」を鍛える「道草」教育とはどのようなものでしょうか。「道草」では、単に結果だけを重視するのではなく、そこに至るまでの「思考の過程」を重視します。また、授業において、クラスの友だちと考えを出し合うことで、「学び合う」ことを大切にしています。さらに、興味を喚起するために、本物にふれることや体験させることを重視しています。
「学び合い」を成立させるためには、互いに思いやりの心をもって「聴き合う」ことができなければなりませんし、常に「なぜ」と問いを発することのできる子どもを育てることが必要です。こうした学習の基本となる習慣や態度というものも、同志社小学校では大切に育てていきます。加えて、同志社大学のもつ豊富な教育資源を活用することで「本物」にふれる機会が多いことも、本校の「道草」教育の特色といえます。 |